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第8回 2003/05/31

Plex Tools Professional における Q-Check ≪仕組みを知って、上手に使おう≫

[ 目次 ]
 ・Plex Tools Professional リリース、各測定項目の説明
 ・準備、実際の測定 C1/C2 test
 ・実際の測定 Beta/Jitter test
 ・解説:各測定結果について
 ・他ドライブで焼いたメディアの測定
 ・最後に:Q-Check で出来ること、出来ないこと


最後に

Q-Check で出来ること、出来ないこと
もう一度、Q-Check で出来ることと出来ないことをまとめると、次のようになります。

・C1/C2 test 
C1/C2 エラーの発生頻度を測定できる。 しかし、エラー発生の原因が、メディアの品質が悪いのか、ライトストラテジが適正でないことによる書き込み品位の悪化が原因なのかは、これだけでは情報が足りず、判断出来ない。

・FE/TE test
使用するメディアが、PX-W5232TA による最高速書き込みが可能かどうかを判断する。
測定中に示されるプロット・データは、エラー分布の目安として参考表示される。 測定は最高速でしか出来ないため、特定のメディアの、特定の書き込み速度での結果はどうか、という使い方は出来ない。

・Beta/Jitter test
Beta test
11T のピットが正常な強さで形成されているかどうかが分かる。これにより、レーザー出力が一定しているかどうか、または記録面の状態が安定しているかどうかのおおよその判断が出来る。
しかし、この結果のみでレーザー出力の変動や記録面の状態を個別に判断出来るわけではない。
あくまでも、定性分析的な判断でしかない。
Jitter test
全周に於けるジッター値の最大値と最小値の幅を変動値として、記録面の精度を推定することが出来る。
しかし、測定結果を表すグラフは、ジッターの絶対量を示しているわけではない。
そのため、冒頭から終わりまで、ジッターが終始大きい状態で一定している場合と、ジッターが終始少ない場合で一定している場合をグラフ上で判別することが出来ない。

それでも、チェックが出来る嬉しさ
Q-Check は、PX-W5232TA で書き込んだメディアを、PX-W5232TA 自身で測定した場合にのみ、正確な測定が可能です。 他ドライブで書き込んだメディアに関しては、不確実要素が多すぎるため、データの信頼性は PX-W5232TA 自身で書き込んだ場合に比べて低いものとなります。
上記のように、Q-Check を使うことにより、書き込んだメディアの品質を多方面から定量的または定性的に判断する要素を得られることが分かりました。 しかし、その各要素自体は既述したように、現象の原因を断定するに足るものではありません。 例えば、C1/C2 が悪いのは、メディアの質が悪いのが原因だ、と一意に決めつけることは出来ず、 C1/C2 は書き込み速度でも変動しますから、メディアが非常に高品質でも、そのメディアにとって最適でない速度で書き込んだ場合、当然ながら結果は悪化します。 また、他のドライブで書き込んだメディアに関しては、どの測定結果にも書き込みドライブの Jitter 値と測定ドライブ(PX-W5232TA)の Jitter 値の両方が影響してくるため、読み書き共に PX-W5232TA で書き込んだものと比べて、測定結果はどうしても精度が低くなり、データとしての信頼性はほとんどありません。
しかし、従来は自分の耳に頼っていた書き込み品位は、ここに至り Q-Check によるデータ的な判断材料を新たに得られたことで、更に多角的な評価が可能になったのは、ユーザーにとっては嬉しいことだと思います。

ここで行った測定及び一連の検討・考察をどう捉えるかは、皆さん自身です。
私自身は極力、得られた事実に基づいて話を進めておりますが、ユーザーレベルでは真実を追究することに限界があるのも事実です。 なので、私のスタンスとしては「こういう実験を行ったら、こういう結果が出たよ。 それに関して私は、こういう解釈をしてみたよ。」と言うことです。 測定データだけを並べて、あとはそれを見た方がどう解釈するか、と言うスタンスも一つの道ですが、それなら当サイトじゃなくても、あまたのサイトで行っていることですし。(^^;
だから、それをどう解釈するかは、お読みになっている皆さん自身です。
当然、一つ一つの事象の追求には限界があると思ってます。 その中で、考えられる可能性を探って、ある一定の解釈を行っているに過ぎません。 な〜んて、ほとんどの方は、改めて書かなくてもご理解いただけていると思いますが、念のため書いておきました。(^^;

結局は、やはりユーザー自身が判断するための手がかりを得たに過ぎないわけで、Q-Check の測定結果がメディアの品質の全てを表しているわけではないし、メディアの評価も良いと悪いの二者だけではなく、むしろ各メディアに得手不得手があると考えるのが現実的ではないかと思います。

「メディアチェッカーは、貴方の判断を支援する役割を担っているに過ぎない」

いつも申し上げていることですが、やはり結論はここに行き着く、と私は思います。
皆さんが Q-Check を使うための参考になれば幸いです。

2003年6月9日 (C) COLT-T
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更新:2003年6月11日

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